マストドンの現状と問題点

マストドンが日本で流行して早一ヶ月半。
ツイッターに対抗する新たなSNSという当初の目論見は成功したようには見えないが、独特のコミュニティが形成されているようには見える。
せっかくなので現時点に於いてのマストドンの現状と問題点を書いてみる。単に誰も類題を書いていなさそうなので書くことになったわけでもあるが。

マストドンの大きな特徴はコミュニティの分散化である。
従来のSNSは一つの私企業が立ち上げて運用していくスタイルだった。
多くのユーザーを取り込めれば成功だが、現にFacebookはユーザー数の伸び悩み、Twitterは赤字で身売り話が絶えないという有様である。mixiすらもいまではソシャゲ屋という昔の栄光は何だったのかというのもある。

そんな最中オープンソースによって誰でもインスタンスが建てられるようになった。
ユーザー数はイノベーター理論で言うイノベーター(第一段階)にしか過ぎないが、数多くのインスタンスが生成されたというのを見ると目論見通りになっているのだろう。
それと同時にツイッター社及びツイッターを利用する様々な企業に対しての不満が解消されることになると読んでいる。
特にツイッターの投稿からネタをタダで仕込んでくる既存メディアにとっては大打撃になるだろう。


ここからは問題点を挙げていく。

1. ツイッターとの差別化ができるか

ツイッターという一企業からの支配から逃れられたとはいえ、ツイッターと同じことをしていても意味がないように感じる。
当のツイッター社の経営事業がずっと厳しいのは言わずもがなであるが、同じことをしていたらマストドンの意味があるのそれ?となってしまう気がする。
どこかのインスタンスツイッター民の受け皿となれば丸く収まる話かもしれないが、現時点ではまだ置き換わる状態には至っていない。

一部のインスタンスはローカルタイムラインでチャットしているところもあるが、そのようなところは差別化ができているものと思われる。


2.人が多すぎても少なすぎてもダメ

mstdn.jpのローカルタイムラインを見たことある人ならわかると思うが流れが大洪水となっている。各々の発言がすぐに流れていってしまう。
だからといって少なすぎると過疎化していて面白くもない。要はシャッター街みたいなものだ。
マストドンでの独特のコミュニティを築くにはそこそこの人数でのアクティブ率が重要となってくる。

しかし悲しいかな、日本人の習性なのか人の多いところに行きたがる傾向が強いのかmstdn.jpやpawooに集まってしまう。 洪水のところに行っても洪水にしかならないのに。


3.ジャンルがないと正直きつい

ノンジャンルでとりあえず立ててみました的なインスタンスが一部あるが、身内でワイガヤやっているだけに似ている空間になってしまう。
知人限定みたいな環境でやりたいなら話は別だが、そうでない場合は特定ジャンルを設けないと人は来ないように思える。
個人的には堀江丼が思いの外人が集まらないように見えた。特定著名人を応援するインスタンスというのは難しいのか。アクの強いホリエモンだからダメなのかもしれないが。

一つ懸念していた特定宗教や政治団体、マルチまがい企業のインスタンスがないのは現時点では予想が外れたことも付記しておく。
例えばどこかの政治団体が党員に呼びかければ短期間に何十万人以上のも登録者数を見込めるはず。大したメリットがないと判断したのか、もしくはまだ気づいていないだけなのか。


さて最後に自身がメイン拠点としている社畜丼(mstdn-workers.com)について。
近状なにか変わったことがあったかというと特にこれといってないが、やたら飲み会したがる人が多い傾向。社畜なのにアクティブすぎる。
イベント系に飛びつきたがるのは普段のストレスを発散したい社畜特有の症状なのかもしれない。